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『…イカせてください…。もう、我慢できない…。あんたらの好きにしてくれ…。オレの…オレのサカッたここの穴に、熱いモノをぶち込んで…』
『突き上げて…。掻き乱して…』そう言う言葉と同時に涙が顎を伝い、唾液と共に喉に流れた。
これらの言葉の数々は双子に教えられた言葉ではない。自分で考えて言うようにしむけられたものだ。自分たちが直ぐにでも交合いたくなるような言葉を吐けと常に命ぜられていた。
『………』双子はその言葉を聞いて鼻を鳴らした。特にカノンは顎を膝の上に乗せかねない勢いだ。
『…何と言うか、もう聞き飽きたぞ。その言葉』
『………』ラダマンティスは屈辱の中で絶句した。この双子を『その気』にさせられる発言が出来なかった時は延々焦らし責めを受けるのだ。そして、『その気』になるかどうかも大抵は双子の気分次第だった。
ある時は自慰を強要された。張り型一個を与えられて双子の見ている前で自分の望むままに責めて慰めてみろと言われた。最初の三回ぐらいは撥ね付けたが、結局我慢が出来なくなって本当に監視の元で自慰をした。その時は自分で突っ込んだだけで激しく爆ぜてしまったので、見られるのが好きなのかと散々からかわれた。そして、ラダマンティスが屈辱に耐えながらぎこちのない手つきで自らを突き上げ掻き乱すのも待たず、我慢できなくなった双子はそれこそ彼の足腰が立たなくなるまで、意識を失うまで幾度もラダマンティスを犯した。
『その気』になるまで延々焦らされるのも苦痛だったが、一度『その気』になった双子に延々犯されるのもまた苦痛だった。双子は相手が快楽に悶えていないと興奮しない。そのためにはどんな手を使ってでもラダマンティスの身体を昂らせ、掻き乱して正気を失わせ自分から求めさせるのだ。彼らは愛撫や技巧にかけては天性の才能の持ち主だった。そして、ラダマンティスもまた並外れた精力の持ち主だった。なまじっか精力が強いために多欲な双子に応じることが出来たのはある意味不幸な話だった。故にすっかり気に入られてここに繋がれている。
もし、彼らの要求に応えられなかったら所詮は敵同士、ラダマンティスは既にこの双子に始末されて骸になっていただろう。もし、ラダマンティスが巨頭でなかったら、幾重にも張り巡らされた女神の結界に耐えきれず衰弱死していただろう。基礎体力があるからこうしてここでも生き延びることが出来る。
逆に言えば、それだけの実力を持つものが捕縛されたという時点でそれは大いなる屈辱でもあった。そして、身体を相手の好きに改造されていくことも。
何かを閃いたかのようにカノンは言った。
『…そんなに欲しかったら食わせてやろう』
『…そうだな』サガもあっさりそれに合わせたところを見ると、今思いついた訳ではないようだ。
カノンが少し身体を反らして何かを取り寄せる。訝る間も与えず、ラダマンティスの開いて火照った粘膜に固いものが押し当てられた。押し当てると同時に、少し力を加えるとそれはすんなりと粘膜の中に包み込まれ、跡形もなく飲み込んだ。それが消化器の末端を潜って体内に引き込まれた時、ラダマンティスは軽い痺れを感じた。膨らんだ粘膜の狭間にそれが隠れていくのを見ながらカノンは嬉しそうに言った。
『…押し当てただけで飲み込んでしまったぞ?凄く貪欲だなお前。』
ラダマンティスは一体自分が何を飲まされたのか俄には把握できないでいた。何か固まりのようなものが奥に引き込まれてゆく。いきんで押し返そうとしたところを突かれて更に奥へと押し込まれた。そして、
『…フフ。これならばもう一つぐらい入るな…』
今度はサガの手によって同じような丸いものが押し当てられ、滑らかに腸内へと押しやられた。刺激を与えないようにそっと、奥まで押し込む。
それは奥まで行くことなく先に飲み込んだ固まりに当たって止まり、ラダマンティスの下腹部に奇妙な圧迫感をもたらした。何か丸いものを押し込まれたことは解っている。ただ、それが具体的に何なのかは解っていなかった。
『…さあ』そこまでやってカノンは少し下がってあるものを出した。
それは、藁を敷き詰めた籠だった。こんなものが出てくるということは、事前に準備していたに違いない。
『今挿れられたものをここに産み出してみろ。そうしたらお前の望み通りにしてやる』
最初の数秒は訳が分からなかった。だが、漸く自分の体内にあるものの正体が判りかけた頃、サガが追い打ちをかけるように耳元に囁いた。
『翼竜は卵生だから卵ぐらい産むだろう?』
理解する前に身体が反応してただでさえ赤かったラダマンティスが耳の先まで更に赤くした。
それには怒りが含まれていたのかもしれない『貴様ら…』。
『…ふざけるのも大概にしろ!』
こいつらはただここでラダマンティスが産卵するところを見たいだけなのだ。異物の挿入でさえ屈辱なのに、突っ込まれたものを産み出す様まで見せ物にされるとは…。
ラダマンティスの憤怒の叫びもその食いつくような殺気も剣幕も、双子には全く通じなかった。力の限り抵抗して双子を振りほどこうとしても、後ろから抱きついて押さえるサガの力は尋常ではなく、それは実際のところ小さな痙攣にしかならなかった。
『フフ、先に自分から求めておいて、それでオレ達に対してふざけるなだと?その言葉、そっくり返してやるぞ?』
『それはお前らがオレにそう言うようにしむけたのだろう!?』
『…しかし、言ったのはお前の意思だぞ?』
手足をもぎられた小さな蜥蜴が自身の生命を護るために必死に抵抗を繰り返すのを、子供が笑いながら更に嬲るようなものだった。絶対的に無力な存在がどう抵抗しようとも意味を持たないのだ。
本気で怒るラダマンティスの反応を双子は無邪気な笑いで流した。そうやって抵抗するのも予想のうち。ただ、思ったよりも本気で怒っているのでその反応が可愛くて二人ともどうにかなりそうだった。
ラダマンティスは完膚なきまでにこの双子に尊厳や貞操を躙られていたが、この双子もまた、どうにもならないほどこの翼竜にのめり込んでいた。既にそこには奇妙な力関係が横たわっていた。
特に、後ろから押さえているサガはどうにもならなくなったようだ。
『…可愛い…どうにかなりそうだカノン。これに早く挿れてしまいたい…』
『早く…』幾度もラダマンティスの項に顔を突っ込んで耳や首筋を舐めながら、すっかり滾って痙攣を繰り返すイチモツを幾度も谷間に擦り付けて、少し角度をずらすだけで挿ってしまいそうなぐらいきわどい位置まで押し当てて来る。その吐息と肌から伝わる熱から感じるサガの情欲に、ラダマンティスは喉を鳴らした。今までの経験からしてその結合は気を失う程の強い恍惚を幾度ももたらすだろう。そして、ラダマンティスが完全に降参して幾ら泣き叫んで許しを乞うても容赦なく犯し続けるだろう。
カノンもまた身体を這い回る恍惚と欲情に苛まれながら上擦った声で言う。
『…だめだ兄さん…。そんな真似をしたらこいつの中で卵が割れてしまうだろう?…それに、オレだってこれが欲しい…。早く突っ込みたい。どうにもならない…』
狂気に彩られた目でカノンが縛られたままのラダマンティスのイチモツに食いついた。その舌捌きで幾度もラダマンティスのものを翻弄し、強く吸い上げる。『…あ!』あれだけの憤怒に関わらず、ラダマンティスは射精すらさせてもらえない窮屈な肉の器具を強く吸われて声を上げた。最初は反応と同時に尿道を襲った鈍い痛みからだった。だが、その声も次第に痛みから遠ざかって小刻みになっている。項や首筋を這い回るサガの舌にも身体は反応していた。
先ほど二人を撥ね付けた意地もあってか、ラダマンティスは必死に溢れそうになる悲鳴を飲み込んだ。
思えば、最初から拒絶する権利などあっただろうか?
双子は欲情に身体を震わせながら競うようにラダマンティスの身体を刺激して責めたてた。この時点で双子は完全に競っていた『オレが先だ』『いいや私だ』。残念なことに突っ込める穴は一つしかない。まずはどちらかが我慢をせざるを得ない。そして、二人は定番の結論に行き着いた。
『…ならば、先にこいつに卵を産ませた方が先に戴くのでどうだ?』
『…承知した』熱に浮かされた声で交わされる双子の遣り取りを聞いてラダマンティスはまた固唾を呑んだ。
そうなってしまえばこの二人は何としてでもラダマンティスに卵を吐き出させる気だ。
どちらともつかない指が異物を銜え込んだままの肛門に滑り込んだ。焦らすように緩やかに入り口を責める。『………!』ラダマンティスは更なる努力を重ねて漏れそうな声を堪えたが、いずれにせよそんな真似をしても全くの徒労だった。
身体は既に完全に出来上がって昂ってしまっている。二つ目の異物は酷く不安定な位置にあって、そうやって指でこねくり回されているだけで吐き出してしまいそうになる。
どっちに犯されようが結果は変わらないのでどうでも良かった。指が粘膜と異物の間を這った瞬間、それが重みを支えきれないように下がってきた。
『ッ!』ラダマンティスは微かな声とともに括約筋を引き締めて吐き出されそうなそれを支えようとした。だが、這い回る二人の指でそれすらままならない。それが滑った粘膜を徐々に滑って吐き出されて来る。
『ぅああっ…!』一つ目のそれが滑った粘膜の狭間から、呆気なく産み出された。粘液に光るその卵はカノンが予め置いていた籠に上手く落ちた。卵は割れることなく藁の中に収まっていた。
それと同時にラダマンティスの頬から熱い涙の雫が滴ったが、床に落ちてしまえば他の体液とそう変わりはなかった。
『まずは一つ目だな』情欲に上擦った声でサガが囁いた。興奮の余りラダマンティスのイチモツに食い付きむしゃぶり続けているカノンもそれに合わせる『ああ…』。そして、唾液と体液に塗れたそれから舌を離す。
『本当に辛いのはここからだぞ?お前が泣き叫んで自分から卵を産んで尻を差し出すまで責め続けてやる』
脅しをかけるようにイチモツを緊縛している紐を引く。同時に、ラダマンティスを背後から拘束しているサガがその逞しい腕に力を込めた。
『…そうなるまで、私たちを沢山楽しませてくれ。もちろん、そうなった後も…』
ラダマンティスは強大な力を持つ双子達に押さえられながらも、直ぐさまここを逃げ出したい衝動に駆られた。
だが、逃げ出したとて逃げる先はあったか?逃げ仰せたとて、散々嬲られて昂らされた身体の火照りは一体誰が宥めることが出来るのか。
ラダマンティスはどうすることも出来ない無力感と屈辱に喉を鳴らした。